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 ■Wheels for the mind2000/04/18

 

 先日、小さなイベントのライブ中継を行った。ごくごく限られた人をターゲットにした配信だったけれど、非常に有意義な体験ができた。

 ひとつめのイベントは、とある高校合唱部の定期演奏会。20回目の記念すべき演奏会ということで、OB・OGたちが大勢集まり、現役メンバーとの合同演奏も行った。その模様を時間的・地理的な制約から当日参加できなかった人に向けて配信(サウンドのみ)。遠くは中国に単身赴任した人や、卒業後に札幌を離れて住んでいる人が対象となった。総接続数4件という一見寂しい結果 だったが、ホントに伝えたい相手にホントに伝えたいコンテンツを配信することができた。
technical info
・システム構成
 PowerBook G3 400MHz → PHS32k → PIAFS → Mac OS Xサーバ(QTSS2.0)HotNet64k専用線
・圧縮のパラメータ
 compression/QDesign Music2 Professional Edition,channels:1(mono),sample rate 11.025 kHz,sample size 16bts

 もうひとつはBoBAというイベントのライブ中継。ベンチャービジネスやインターネットに関わる人々の出会いの場として企画されたパーティの模様を、これまた当日参加できない人向けに配信。アップルセンター江坂の協力で1.5Mbpsの専用線に接続されたQTSSを利用できたものの、総接続数は8件という寂しい数字。しかし視聴者からの熱い反響が嬉しかった。
technical info
・システム構成
 PowerBook G3 400MHz → OCN128k → アップルセンター江坂 Mac OS Xサーバ(QTSS2.0)1.5Mbps専用線
・圧縮のパラメータ
  56kプリセット
   ※イベントの運営スタッフの仕事をしながらのセッティング&ルータからのロングケーブル不調というトラブルに見舞われ、用意しておいたスペシャル・セッティングを使い忘れてしまう.....。
  いやはやナニが起こるかわかりませんねぇ....。

 このふたつのイベントのライブ配信を終え、ふと思い出したのが“パーソナル”コンピュータMacintoshが登場した当時に使われていた“The Computer for the rest of us”というキャッチフレーズだ。「今までコンピュータを使ったことのなかった誰もが使えるようなコンピュータ」というような意味で、『アプリケーションの内容にかかわらず、人々がすでに身に付けている技術だけで使えるようにし、ユーザーが目的とする作業と直接向かい合えるような、コンピュータをできるだけ「透明な」ものとする(以下略)』(※)ことを目指していたのである。コレってすごくQTSSの持つ敷居の低さに通 じるところがあるように思えてならない。
 その後Appleは“Wheels for the mind”というキャンペーンを展開。Macintoshを知的な自転車に喩え、人間の知的能力を気軽に拡大できるツールとして位 置づけた(自転車の荷台にMacをくくりつけて颯爽と走り抜ける一筆書きのようなイラストがとても印象的デシタ)。性能としてはクルマや飛行機にはかなわないけど、思い立ったらスグに目的に向かって走り始めることができるという意味で、Macintoshの持つ“敷居の低さ”は個人にとっては大きな意味を持つってことで、これまたQTSSに通 じる部分がある。

 折しも、ストリーミング界のBig BlueたるReal SystemのReal Playerで、PC界のBig BlueであるMicrosoftの、Windows Mediaのコンテンツを再生できるようになるとの発表もあり、時代はますます“1984”化しつつある(笑)。個人でもアイディアとフットワークさえあればこのBig Brotherに立ち向かう(?) ことができるのがQTSSの魅力デス。さあアナタもQTSSというハンマーで現代のBig Brotherに対抗しよう!

(※)月刊MACLIFE別冊『98ユーザーのためのMacBOOK2』ビー・エヌ・エヌ'89年9月刊 大谷和利氏による“コンピュータ・トレンドというもの”より引用。大谷氏は『マッキントッシュがヴィークルになる日』(ビー・エヌ・エヌ刊)のなかでも『ぼくの見方としては、マックがシステムレベルでハイパーカード的なものを組み込むことで、本当のメディアになっていくだろうと考えています。あらゆるデータを扱えるメディアになり、ちょうど作家が書いた原稿が本になるように、ディスクの形で作品が供給される。それを見るためのツールというか、情報を盛り込むための「器」に、マックがなっていく。つまりインフォメーションのヴィークルですね。
 ビークルというのは、大乗仏教、小乗仏教の「乗」です。みんな器に乗って救われましょうということですね。ですから、まさにマッキントッシュがヴィークルになって、すべてを包み込んでどこかに連れていってくれる。そんなイメージを持っています。』と述べている。インターネットが出現する前('90年7月)に出版された本なので、内容的に多少ズレてしまった部分もあるけれど、この器の概念はまさにQuickTimeそのものデス。
 さらに付け加えるなら、開発が途絶えて久しいHyperCardが、Wired Movieムービーのオーサリングツール“LiveStage Pro”の開発元であるTotally Hipで“Project Durango”としてQuickTimeベースのツールとして復活する模様。楽しみ楽しみ。

 

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